趣味の話:みちのく潮風トレイル⑥気仙沼→三陸町

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気仙沼から先は火曜日に休みを入て、
2021年5/22~26の5日間で歩きました。
(わたしのお仕事は火木金です。)

予定は1ヶ月ほど先の天気予報を見て、
なるべく好天が続く週を選んで決めました。
https://www.toshin.com/weather/

このサイトでは;
 ・当日含め2週間の1時間毎の天気
 ・そこから45日目まで日中と夜間の天気
 ・46日目から90日目は1日毎の天気
を見ることができます。
3週以降は統計から予報を出していますが、
意外と当たるなと感じます。

この頃は比較的雨が多く、
22(土)と23(日)は雨~曇りの予報。
「まあ1~2日ならいいか?」
と考えて決行しました。

わたしのルートはノースバウンドで、
距離はデータブック準拠です。


土曜日:浪板橋→『こご磯』手前
(438.87-441km)

土曜日は高速バスで仙台に向かい、
更に高速バスを乗り換え南気仙沼駅へ。
到着は日没後(19:17)で雨も降っていました。
あたりは広々として、
新しい駅舎がポツリと建っています。
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震災前に1度、
南気仙沼駅に来たことがありました。
美味しいカツオのハラスをいただいた、
駅前の飲み屋さんはありません。
全て流されたのでしょう。

歩いて浪板橋に向かう途中で晩ご飯。
シャークミュージアム2Fのお寿司屋さん。
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気仙沼湾に注ぐ鹿折川にかかる橋が、
前回ストップした浪板橋です。
ここから南下して気仙沼大島に向かいます。

海沿いの低地にあった建物はみな破壊され、
道も工事が始まっていました。
気仙沼市内は工事が多く、
迂回路のチェックを怠ると迷いますが、
ここはそのまま進めました。
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雨の中野営する場所を探しますが、
夜では見つけるのも困難です。
かなえおおはし(気仙沼湾横断橋)をくぐり
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218号線沿い『こご磯』に上る道の手前、
道路脇にツェルトを張って野営しました。


日曜日:『こご磯』手前→巨釜トイレ脇
(441-485.92km)

日曜日は朝から曇り予報ですが、
起きるとまだ弱い雨が降っていました。
濡れたツェルトをザックの後ろにつっこみ、
4時には歩き始めます。

道をしばらく行くと、
かなり野営しやすそうな場所がちらほらと。「もう少し歩けばよかった?」
と頭をよぎりますがまぁ後の祭り。
ただ夜はおそらく真っ暗でしょう。

気仙沼市街地と気仙沼大島は、
以前来たときはフェリーで渡りましたが、
今は橋でつながっています。
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ここから気仙沼大島をぐるり1周。f:id:ichapy:20220410142226j:imagef:id:ichapy:20220410142253j:image

龍舞崎から回る道は通行不可能とのことで、
迂回路を通りました。
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みちびき地蔵

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十八鳴浜は踏むと音が鳴る砂浜。
震災前に来たことがある場所です。
ここには9:25に到着。
この頃には雨は止んでいます。
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亀山ではカモシカに遭遇(写真撮れず)。
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大橋をまた渡り唐桑半島に入ります。
いきなり工事迂回で迷いそうになりますが、
日向貝のヤブツバキを見つけルート復帰。
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ここでだいたいお昼頃。
止まって休まず、
お昼ご飯は歩いたまま食べて進みます。f:id:ichapy:20220410142716j:imagef:id:ichapy:20220410142741j:image
御崎を回って津波石→半造→折石→巨釜。f:id:ichapy:20220410142823j:imagef:id:ichapy:20220410142858j:image津波石は本当に津波で打ち上げられたもの。
f:id:ichapy:20220410142927j:image明治三陸津波で折れた折石。
東日本大震災では折れなかったそうです。f:id:ichapy:20220410143011j:image

この日は巨釜駐車場横にある、
トイレ脇にツェルトを張って野営。
海に面していますが、
たいした風もなく静かに休めました。


月曜日:巨釜トイレ脇→六ヶ浦漁港手前
(485.92-533km)

この日は朝からいいお天気。
4時には出発です。
巨釜から町中を通り海沿いの道を通ります。
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大理石海岸は美しいんですが周りが工事中。f:id:ichapy:20220410143529j:image
岩手県に入り要谷漁港でまたカモシカ遭遇。f:id:ichapy:20220410143550j:imagef:id:ichapy:20220410143559j:image
気仙中学校跡を抜けると気仙川を渡り、
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陸前高田高田松原復興祈念公園へ。
ここは陸前高田市街地のあった場所で、
奇跡の一本松があるところです。
陸前高田は15mを超える津波に襲われ、
100人中10人が死亡または行方不明という、
極めて大きな被害を受けました。
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市民の森を通った先にある小友浦は、
震災前は干拓地だったそうです。
震災後堤防が崩れてできた干潟に、
数年で豊かな生態系が出現。
(平成28年環境省重要湿地に選定される)
それを知らない陸前高田市の水産課が、
以前からの計画通り埋め立てたとか。
知ってるとちょっともやもやします。
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漁港をいくつか抜けて、
17時過ぎに黒崎仙境に到着。
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また日没までは1時間以上あるので、
進むことにします。
これが失敗でした。


足ドンされた

黒崎仙境を過ぎた先は、
海沿いの林の中を通ることになります。
大祝漁港と小祝浜を抜けて進むうち、
日が落ちて暗くなってきました。

木々の間は影が濃くなり、
先があまり見通せなくなります。
もうずいぶん進んで、
そろそろ自然道を抜ける?という登り道。

ガサリという音。
何かに遭遇しました。
見えるのは木々の向こうの大きな黒い影。
こちらを伺っているように感じます。

行動音は大きかったはずですが、
熊鈴は着けていませんでした。
熊スプレーは持っていません。

「なんだろう?クマじゃないといいけど」
なんて思っていると、

ドンッ!

という音と共に鼻息みたいな音。
思いきり地面を叩く音です。

まずいと感じ後退しますが、
下りで静かに後退するのも難しい。
もういいやと思って、
ガサガサ音をさせて下りました。

追ってくる気配はありません。
心臓は早鐘をうったよう。
もうあたりは暗く、
脚は疲れで痛みます。
進むことも戻ることもできません。

周り中どこから何が来るかも分からず、
すごいおっかないんですが。
覚悟を決めて、
道脇の茂みにツェルトを設営。
そこで野営しました。


火曜日:六ヶ浦漁港手前→綾里郵便局前
(533-574.12km)

ぐっすり眠ったら気力も体力も回復します。
真っ暗ですがヘッドライトを装着して、
4時には行動開始。

何かに遭遇することもなく、
10分かそこらで民家脇に出ました。
あれクマじゃなくてカモシカかなぁ。
こわかった。

広田海水浴場から門之浜漁港を通り、
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碁石海岸を抜けると、
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大船渡に着きます。

大船渡市の資料によると津波は最大11.8m。
ルートの大部分は7m以上の津波によって、
水没したところを通っています。

警察署前から佐野橋を渡りセメント工場へ。
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陸前赤崎駅には16時前到着。
昨日の経験があるので進むか迷いましたが、
こりずに進むことにします。
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無事稜里峠を抜けて不動滝を見て、
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稜里郵便局前から綾里駅へ。
この日は泊まるところを決めていたので、
リアス線で三陸駅に移動です。


潮目

泊まるのは越喜来(おきらい)の『潮目』。
トレイルエンジェルとして有名な、
片山和一良さん(わいちさん)のところです。
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潮目は震災資料館であり、
地域の人が集まる場であり、
イカーが集う場所でもあります。

実際泊まってみて分かりましたが、
みんなわいちさんの人柄に惹かれ、
集まってくるのだなと感じます。

この日は北から南へ向かうハイカーが1人、
わたしの先に泊まっていました。
スルーハイカーさんです。
ほぼハイカーさんと会うこともなかったので
いろいろ話をして楽しく過ごしました。

潮目は維持費をお支払いすることで、
泊めてもらうことも可能です。
屋根の下でゆっくり休みました。


水曜日:綾里郵便局前→羅生峠方面分岐
(574.12-602.89km)

この日は綾里から三陸駅まで歩く予定。
30km弱なので余裕があります。
わいちさんにお礼をして、
三陸駅を朝一番で出発して綾里駅へ。
郵便局前まで戻りルート復帰です
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綾里の町の先には綾里半島があります。
立石山から綾里崎に向かい、
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ちょっと綾里灯台に寄り道して、
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また綾里の町に戻ります。

綾里は明治三陸津波で遡上高38.2mを記録。
東日本大震災では遡上高40.1m。
昔から津波の被害を受けてきた場所です。
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気持ちの良い県道9号を歩き、
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恋し浜駅甫嶺駅と抜けて、
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余裕があるのでカフェビアンでお昼ご飯。
ハンバーグがさいこーに美味しい!
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ここから未音崎湾望台を通り潮目に到着。
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越喜来のルートを少し歩いて、
帰路についたのでした。


この回の学び

暗い中での野営地探しは大変
自然道の行動では時間に余裕を持つ
クマ対策を考える

自然が近いのは楽しい部分だけではなく、
おっかないことも出てくる。
そんなことを感じたのを思い出します。
(つづく)

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東日本大震災について - 大船渡市
https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://www.city.ofunato.iwate.jp/uploaded/attachment/9461.pdf&ved=2ahUKEwiEioHO0Yj3AhUHfN4KHZpfB3QQFnoECAQQBg&usg=AOvVaw3NydTROf_gCqleEKx5Orhg

趣味の話:みちのく潮風トレイル⑤志津川→気仙沼


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この回も土曜日~火曜日の日程。
2021年の5/8~10で決行しました。

峠が1つある程度なら、
40km進めるのは前回の経験で分かりました。
およその自分のペースが分かったので、
だいぶ計画も立てやすく感じます。

この2日間で進めるのは、
よくて65kmほど先の気仙沼大島の手前まで。
もっと進みたいところですが、
エスケープできなくなってしまいます。

わたしのルートはノースバウンドで、
距離はデータブック準拠です。


土曜日:志津川駅→三陸自動車道接点手前
(373.02-376km)

昼便の高速バスで仙台に向かい、
仙台→小牛田→前谷地→柳津→志津川
とJRで移動。

ちなみに柳津→志津川はBRTです。
BRTはBus Rapid Transitの略で、
簡単に言えば専用レーンを走るバスのこと。
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津波で流された鉄道跡から線路を撤去し、
そこを専用道路として走るバスで、
柳津-気仙沼間と気仙沼-大船渡間はBRTです。

一部一般路も走るので、
遅れることもある言われますが、
わたしが使った限りかなり正確でした。

南三陸町はチリと縁が深く、
そこここでモアイ像を見ることができます。
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志津川駅から少し進み、
大雄寺を過ぎて三陸自動車道の手前、
田んぼの横の空き地で野営しました。
田植え前の田んぼには水が入っていて、
一晩中カエルの大合唱が聞こえていました。


日曜日:三陸自動車道接点手前→前浜漁港
(376-414.94km)

もうこの頃は日の出も早いので、
4時には撤収を済ませ歩き始めました。

入谷地区は田んぼが広がり、
日本の原風景といった趣があります。
カエルや牛の鳴き声が聞こえる中を歩き、
田束山に向かいます。
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悪人は通り抜けられない『巨石』
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動いて笑って旅人を脅かす『なまこ石』
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蕎麦を食べ蕎麦湯を飲まないで通った男が、
別の男に腹を割かれ殺される。
これは胃袋から蕎麦を取り出し食うためで、
蕎麦を洗ったため赤く染まった『血の池』
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田束山は山頂のつつじ園で有名な山です。
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行者の道を下り気仙沼市へ。

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気仙沼市内は工事が多く、
事前の情報確認が欠かせません。
トレイルサインも他より少ないので、
けっこう迷いました(^^;)

本吉地区を過ぎて前浜漁港へ。
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漁港のすみっこを借りて野営です。

 

月曜日:前浜漁港→浪板橋
(414.94-438.87km)

この日歩く距離は少ないですが、
早く着けばご飯を食べる余裕もできるし、
工事の迂回もバカになりません。
日の出前に出発しました。

大谷海岸を通り、
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震災遺構の向洋高校跡を観て、
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岩井崎園地を抜けて、
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お昼には気仙沼漁港に到着。
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やはり途中かなり迂回路が多く、
予想よりも時間がかかりました。
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『鶴亀食堂』でお昼ごはーん♪
https://kesennuma-tsurukame.com/
メカジキの煮付けとお刺身。
スッゴいおいしいですー
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電車の時間には余裕があるので、
安波山の頂上まで登り、
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新しくできた復興祈念公園を周り、f:id:ichapy:20220406134659j:image
浪板橋まで行ってストップ。
ゆっくりと気仙沼駅まで歩いて、
帰途についたのでした。


今回の学び

トレイルサイトの情報確認は欠かさない!
街中は迷いやすいので気をつける

トレイルのウェブサイトでは、
工事の情報が細かくフォローされています。
さかのぼれるだけさかのぼって、
しっかり調べるのは大切と知りました。
(つづく)
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趣味の話:みちのく潮風トレイル④女川→志津川

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月に何度もお休みはとれません。
4回目は土曜日~火曜日の日程を組み、
2021年の4/24~26に決行しました。

わたしのルートはノースバウンドで、
距離はデータブック準拠です。


土曜日:女川駅→石投山登山口手前
(289.53-291km)

土曜昼便の高速バスで仙台に向かい、
JRで仙台→石巻→女川と移動。
女川駅到着は日が落ちる頃でした。

女川の先には1つ問題があります。
80km先の陸前戸倉駅まで
簡単にはエスケープできないことです。
少しでも距離をかせぐため、
女川駅から少し歩いて進みました。

女川の津波は川を遡り、
かなり上まで被害を及ぼしました。
現在居住地は高台に移されており、
町の跡は整地されたまま広がっています。

翌日の行程である石投山の手前、
山の木々が始まるあたりで休みましたが、
おそらくここも以前の集落跡でしょう。

小鹿が親を呼ぶ声が、
静かな中ずーっと響いていました。


日曜日:石投山→火伏せの碑(西)
(291-333.01km)

この日の出発は日の出前。
周囲は鹿の糞がいっぱいでした。
実施予定の駆除に巻き込まれないように、
明るい色のシェルを着て歩き始めます。

石投山は正規ルートが工事中で、
迂回路を進む必要がありました。
途中道が大きく曲がる地点が心配でしたが、
ロープが張られ問題なく進めました。
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石投山は3時間でクリア。

波板→雄勝→大浜→桑浜と進み、
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お昼過ぎに白銀神社へ。
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ここは小石1つでも持ち出すと、
災が及ぶ可能性があるほど力が強いとか。
お詣りして先に進みます。

ハートの湾が見える、
『恋する灯台大須灯台を観て、
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船越漁港を周り、
今日の目的地である名振漁港に到着。
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これで42km進んだことになるので、
翌日は少し楽になるはずです。
地元の人に教えてもらった港の端っこに、
ツェルトを張って休みました。


月曜日:火伏せの碑(西)→志津川
(333.01-373.02km)

余裕をもって進みたかったので、
この日も日の出前に出発しました。f:id:ichapy:20220404112902j:image
名振港を過ぎるとすぐに尾ノ崎峠の入口。
ここには広場があるので、
風を避けて野営ができそうでした。

峠を抜けると長面湾が見えてきます。f:id:ichapy:20220404112924j:image
長面湾の先はかなり広範囲の工事中で、
大きく道が変わっていました。
現場のおじちゃんに道を教えてもらって、
なんとか先へ進みます。

ネットに絡まって逃げられない鹿。
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遠くから見える異様なシルエットは、
大川小学校跡でした。
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大川小学校では避難の遅れから、
74名の生徒と10名の教師が亡くなりました。


新北上大橋を渡り北上川沿いを進みます。
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北上川を遡った津波は、
付近に大きなダメージを与えました。
川のビジターセンターは、
壊滅した集落の跡地に建てられています。
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トンネルを4つ抜けて、
お昼過ぎに神割崎到着。
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気持ちよさそうなキャンプ場がありました。

神割崎を回って志津川町へ入った頃、
カモシカに遭遇!
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この辺ではけっこうよくあることらしく、
この後も何回か遭遇することになります。


海のビジターセンターに寄って、
15時頃に陸前戸倉駅通過。
余裕もあるので志津川駅へ向かいます。

海沿いから旧気仙道を抜けて、
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志津川の街へ。
多くの人を救った高野会館を観て、
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17時前に志津川駅に到着。
周囲は新しい家と空き地が目立ちます。
三陸さんさん商店街でひと休みして、
帰途につきました。
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この回の学び

予想を超えて襲う津波の恐ろしさ
自然との距離の近さ

もうこの頃には、
1日40km歩いてもさほど脚は痛まず。
だんだん身体が慣れてきたのを感じます。

宮城県を北に向かうにつれ大きくなる、
津波の爪跡に衝撃を受けました。
(つづく)

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趣味の話:みちのく潮風トレイル③塩釜→女川

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この回はお休みをとって、
日曜日~水曜日で歩くことにしました。
だんだん遠くなるので、
交通費もバカにならないからです。

わたしのとったルートは、
南から北上するノースバウンド(NOBO)です。
文章中の『先』などの記述は、
全てNOBO視点であることを述べておきます。


まずは船便予約

塩釜の先と石巻の先は、
海路を使う必要があります。

塩釜→桂島→野々島→寒風沢島→宮戸
石巻→田代島→網地島→鮎川
鮎川港→金華山 →鮎川港
または 女川港→金華山→女川港

以上の区間は船での移動。
厄介なのは寒風沢島から宮戸と、
金華山への往復です。

寒風沢島と東松島の宮戸の間は、
便を予約しておく必要があります。
冬(11/1~3/31)はそもそも予約が不可能で、
春~秋に予約できても海が荒れると欠航。
予約も5日前に済ませておく必要あり。

鮎川港発金華山行きは、
4月アタマはシーズンオフで定期便無し。
チャーター便は確保可能ですが、
1人だとかなり高額になっちゃいます。
 5人以上なら1人¥3,000
 5人未満はチャーター料金¥15,000. . .

女川発金華山行きは毎週末便が出ています。

寒風沢島→宮戸は、
トレイルセンターにお願いして予約完了。
金華山への往復はかなり時間がかかるので、
後日にまわすことを決定。
3回目を2021年4/3~7に決行しました。

 


日曜日:塩釜→明神新橋
(126.79-167.8km,実際の移動は22km程)

土曜夜の高速バスで仙台に移動し、
仙石線石巻行きの始発で塩釜へ。
7:15桂島行きの船に乗船しました。
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熊とか猪はいないと思うので、
のんびり歩けます。
神社のすり減った階段。
たくさんの人の気持ちが伝わってきます。
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椿のトンネル。
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水仙がいっぱいできれい。
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石浜から野々島桟橋へ移動。
渡船開始は9:00から。
待合室に書かれた電話番号にかけると、
迎えに来てくれます。
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野々島は岩壁に穿った穴「ボラ」が印象的。
けっこうあちこちにあるんですが、
本来の目的は未だ不明とのこと。
物置に使われてたりしました。
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校下桟橋から寒風沢桟橋に移動。
ここも電話で呼ぶと来てくれました。
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寒風沢島は大きな島で、
稲作が行われていたりします。
津波で塩が入ってしまい、
土を入れ替えたりして大変だったそうです。
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島を一周。

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予約していた船の船長さんに電話をかけて、
迎えにきてもらいます。
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島の周りを案内してもらって、
宮戸まで送ってもらいます。
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この辺で雨が降り始めました。

震災復興伝承館(旧野蒜駅)を過ぎ、
『おさとうやま』の横を通ります。
佐藤善文さんが災害の可能性を考え、
私財を投じて作った避難場所だそうです。
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バンダ・アチェとの交流駐輪場を過ぎ
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自衛隊松島基地の横を歩きます。
ここは運がいいと、
飛行訓練が見られたりするみたいですが。
この日は雨で飛行機は出ていませんでした。

陸前赤井駅近くの定川橋を通って、
すき家で早めの晩ご飯を食べて、
上釜ふれあい広場へ。
ここでツェルトを張るつもりでしたが、
気が進まず先に進みます。

結局明神橋から北上運河沿いに入った先、
松の木の下にツェルトを設営しました。
たまたま付近が工事中で人は通りません。
落ち葉で地面は柔らかく、
枝が雨を遮ってくれて快適。
ただ運河が増水すると危険かもしれません。

 


月曜日:明神新橋→鮎川港
(167.8-242.21km,実際の移動は20km程)

この日の予定は石巻港から島を渡り、
鮎川港の先にある御番所公園で野営予定。
船は9時出航予定です。
復旧工事で思いのほか迂回が多く、
港までの時間が読めません。
暗いうちに歩き始めました。

北上運河沿いから旧北上川沿いに抜け、
そのまま川沿いに港に向かいます。
f:id:ichapy:20220402140157j:imagef:id:ichapy:20220402140209j:image北上運河や旧北上川周辺は、
天気に気をつければ野営できそうでした。

港に着いて出航確認すると大丈夫とのこと。
猫の島で有名な田代島に向かいましたが. . .
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大泊港は強風で停泊不可能。
仁斗田港に到着しました。
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田代島では大漁をまねくとして、
昔から猫が大切にされてきています。
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人は怖くないようで、
雨なのに自分から寄ってくる猫までいます。
いつまでも遊んでいたくなりますね。
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地島に向かおうとしてトラブル発生。
田代島→網地島と網地島→鮎川港が、
強い風で欠航になっちゃいました。
石巻港へは戻れたので、
18:45着のバスで鮎川港へ向かいました。

で鮎川港に着いたのはいいんですが、
雨降りとかなーり強い風。
とても公園まで歩く気にはならないので、
落ち着けそうな場所を探します。

周りの施設は閉店後ですが、
唯一閉まってないここに逃げ込みました。
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奥にはトイレもあり。
何より外気から遮断されるのが有り難い。
外は一晩中轟々と風の音が鳴り止まず。
前回に続き読みの甘さを思い知りました。

どうやらここ、
漁師さんたちが早朝使えるように、
開けてあるみたいです。
2時頃から自販機で飲み物買ったり、
トイレに入る人が来たりしました(^^;)

 


火曜日:鮎川港→蛤浜
(242.21km-274.34km)

有り難いことに夜明けと共に風は弱まり、
雨は止んでいました。
この日歩く牡鹿半島は、
典型的なリアス式海岸が見られます。
湾や港がたくさんあって、
そこを歩いてゆく訳です。

番所公園を回って鮎川漁港へ戻り、
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十八成浜→小渕→給分→小網倉と漁港を巡り
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金華山道を抜けて
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小積浜→侍浜とまた漁港を通り
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大越峠を抜け
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桃ノ浦
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桃浦小学校跡
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蛤浜

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ここまできてこの日の行程は終了。
この先は工事中で、
通行止めになってしまうからです。
蛤浜バス停から石巻の宿に向かいました。

 


水曜日:針浜→女川駅
(279.86-289.53km)

宿泊したのは石巻FUTABA INN。
マスターがみちのく潮風トレイルハイカーで
イカーに優しい宿として知られています。
前日夜がしんどかったので天国です。
朝ご飯もすごく美味しい!
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この日の行程は前日の通行止めの先から、
大六天山を抜けて女川駅まで。
電車で石巻駅から浦宿駅に向かい、
スタート地点に向かいます。
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余震の影響が見られますね。
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大六天山は道迷いの注意書きあり。
実際滑落遭難も出たことがあります。
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開けていてサインを見逃すと迷うかも、
そんな風に感じました。
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道が90度曲がるところがあり、
わたしはそこで少し迷いました。
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女川近辺は鹿が増えていて糞がいっぱい。
鹿が媒介するマダニもくっついてきました。

9時から13時、
4時間かかって大六天山クリア。
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かなり早い時間でしたが、
これより先に進むと帰れなくなるので、
女川駅でストップです。
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女川

女川の町を見ての第一印象は、
『新しくてきれいな町』です。
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勘のいい方はお気づきと思いますが、
全部流されたから『きれいで新しい』。
15m近い津波は、
コンクリート基礎の交番をも倒しました。
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ごはん食べて震災の爪痕を感じて、
帰途につきました。
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この回の学び

天候を甘くみない
下調べなしで進むときは慎重に

いつまでも結果オーライじゃ怖いよな。
そう思うのでした。
(つづく)

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趣味の話:みちのく潮風トレイル②~坂元駅→塩釜

意外と楽に東北にたどり着けると分かり、
2021年3月27日土曜日に2回目を歩きました。

土曜日の朝仕事が終わり日月お休み。
そんなリズムでお仕事してるので、
基本的に歩けるのは日月の明るい間です。

天気は土曜日曇りで日曜日曇りのち雨、
月曜日は回復するとの予報。
雨具にOMM Halo jacket(109g)とpants(80g)
ツェルトにシームグリップを塗って、
野営を前提に決行しました。


土曜日夜:坂元駅→深山山麓少年の家
(43.91-50.18km)

土曜日は昼便で仙台に向かい、
19:27に坂元駅到着。
坂元駅の少し先でコースは山に入ります。
翌朝なるべく早く山に入りたいので、
山の手前まで進むことにしました。

「舗装路だし大丈夫だべ?」
とか思いましたが、
街路灯が少なくかなり暗い。

コンビニに寄って食料と水を補給して、
少し道に迷って21:30頃少年の家に到着。
ツェルトを張ってお休みしました。


日曜日:深山山麓少年の家→相野釜3号丘
(50.18-88.4km)

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空が白み初めてから支度して、
6時には歩き始めました。
この日は深山から舗装された明通峠を抜け、
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四方山
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黒森山
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夜討坂
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鵜ノ巣峠
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と自然道が続きます。

鵜ノ巣峠は地図上で滑落の注意アリ。
経験の無さもありビビりましたが、
ロープも張ってあって問題なし。
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自然道は1時間2kmくらいのペースと判明。
平地の半分ですかね。

山を下り亘理公園で早めのお昼を食べて、
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阿武隈川沿いを歩いている途中、
雨が降り始めました。
何ヶ所か雨に当たらずに、
夜を過ごせそうな場所もありましたが、
まだかなり早いので先に進みます。

海沿いの道に抜け、
波の轟きを聞きながら延々歩きます。
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夕方には岩沼海浜緑地に到着。
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ここでテントを張るつもりでしたが、
17時には閉門することが判明。
仕方ないので先に進みます。


ツェルトで雨の野営

岩沼市の海沿いには、
千年希望の丘というものが複数あります。
震災で出た瓦礫を土台に作った、
標高10mほどの避難できる高台です。
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丘の上には東屋があるので、
この相野釜3号丘まで進み、
東屋にツェルトを設置して就寝しました。

経験ある人は分かると思いますが(^^;)
ツェルトはフレームのない簡易テント。
軽量なのはいいんてすが、
風に逢うとむっちゃくちゃバタつきます。

頂上は海からの吹きさらしの風。
東屋にガイラインを結んだので、
吹き飛びこそしませんでしたが、
一晩中バタバタバタバタバタバタバタバタ~

シームグリップ処理も甘かったらしく、
吹き付ける雨が天頂部から漏ってきます。
着替えやバッテリーなど、
濡れて困るものはシュラフカバーに入れ、
なんとか朝まで眠りました。

よく考えてテント張らないとしんどい。
ツェルト泊はシュラフカバー必須。
よーく分かりました。


月曜日:相野釜3号丘→マリンゲート塩釜
(88.4-126.79km)

天気予報通り朝方には風もパッタリと止み、
青空が見え始めています。
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6時過ぎには歩き始めました。
この日は名取→多賀城→塩釜と、
市街地の舗装路中心です。

名取の海沿いは農地が広がり、
津波で破壊された家も保存されています。
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9時頃には名取トレイルセンター到着。
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シャワーを借りてそのまま歩き続けます。
お天気は晴れて暑いくらいになりました。

海沿いのサイクリングロードを抜け、f:id:ichapy:20220328113524j:image
多賀城市街地を抜け、

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夕方塩釜に到着しました。
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この回の学び

ツェルトは風に弱いから高い所に張らない
雨対策はしっかりと
平地は日の出~日の入で40km弱歩ける
自然道はペース半減

塩釜マリンゲートでぼんやり休みながら、
こんなことを思ったのを思い出します。
(つづく)

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趣味の話:みちのく潮風トレイル①~相馬市松川浦→坂元駅

ちょうど去年の今頃から、
『みちのく潮風トレイル』を歩きました。
福島県相馬市から青森県八戸市までのびる、
1050kmの道です。

ロングトレイルというもの

わたし登山はしません。
自然の中を歩くのは好きですが、
頂上を目指すことに興味がない。

ロングトレイルは、
水平に長く歩くアクティビティです。
アメリカ発祥の活動で、
正確にはロングディスタンス・ハイキング。

日本にもけっこう道がありまして、
みちのく潮風トレイルもその1つです。
震災後東北には行ってなかったわたし。
思い立って歩くことにしました。

長くお仕事休めないので、
お休みをつないでのセクションハイク。
南の相馬から北へ向かうことにしました。


装備など

ロングトレイルのキャンプは手段です。
長く歩くのですから、
装備は軽いにこしたことはない。

もうかなり忘れちゃいましたが、
 ザック:  Granite Gear Virga2
 テント:  Finetrack ツェルト2ロング
 シュラフ: Mont-bell ダウンハガー#2 WR
 マット:  ハイカーズデポU.L.Pad15s
 バーナー: BRS3000Tと110缶
の組み合わせを持って行きました。

 

東京→仙台はコロナの影響か¥3000ほど。
ビジネスホテルに泊まったので、
野営の装備は必要ありませんが。
10kgほどの荷物を担いで歩くのも、
体力を知るためにやってみました。

なお文中の距離は、
『みちのく潮風トレイルデータブック』
に基づいて記載します。


1日目:松川浦環境公園→杉目大槻神社
(0-22.76km)

3/13の土曜日夜東京を出発。
高速バス: バスタ新宿→長町駅

翌朝スタート地点まで移動します。
JR:   長町駅→相馬駅
バス:  相馬駅→下り松(松川浦・原釜循環)
バスの運転手さんが親切で、
公園への行き方を教えてくれました。

ここからスタート。
曇り空で風が冷たい。

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東北は今も震災復興の真っ最中。
工事中だったりして、
地図の通りに進めない道もあります。
加えて相馬はこの頃、
大震災の最後の余震と言われる地震で、
かなりダメージを受けていました。

地震で崩れた灯籠。
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駒ヶ嶺駅の北側は風の通り道。
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この日は風速20m/sくらいあって、
田んぼの水も小石も眼鏡もすっ飛びます。
まっすぐ歩くのも難しい風で、
常磐線も減便してました。

宿は相馬駅近く。
杉目大槻神社からは歩いて新地駅に移動。
8:30から14:45まで歩いて23km弱。
自分のペースが1時間4km弱と分かりました。


2日目:杉目大槻神社→坂元駅
(22.76-43.91km)

この日はルート復帰の前に寄り道。
津神社と相馬市伝承鎮魂祈念館を観て、
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そこから歩いて杉目大槻神社へ。
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杉目大槻神社の向こうには鹿狼山。
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自分に山とか平気なん?
とか思いましたが、
特に問題もなくクリア。
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福島と宮城の県境を過ぎてしばらく行くと、
震災遺構の中浜小学校が見えてきます。
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山元町は震度6強津波は12m。
2階まで完全に水没しましたが、
屋上に避難した90名が生きのびました。

ここから少し歩いて坂元駅へ。
日も暮れるのでここで切り上げ。
6時間くらいで21km、
朝から通しだと33km。
この頃には脚が張って熱をもってました(^^;)


歩き出してみて

1000kmとかいつになったら終わるんかなー
まあ1日で30km歩けたならいいかな。
そんな感じだったのを思い出します。

脚の筋肉痛とザックの重みで痛む肩。
でも歩くの楽しいな。
そう思ってマップの続きを眺めました。
(つづく)

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趣味の話:p-bootを試してみた

u-boot

PinephoneにOSのお試しインストールをしていくうち、bootディレクトリの中味がx86と違うことに気付きました。
Armはu-bootというものが一般的なようで、Image、board.dtb、bootscrと、今まで見なかったものが並んでいます。
Archlinux Armを自前でインストールして起動しよう!と思い立ったものの、u-bootのことは全く分からず。
Webで手順は見つかりますが、起動までたどり着きません。
調べるうち、p-bootというものにたどり着きました。


p-boot

p-bootはpinephone用に作られたもの。
起動が早くて便利みたいです。
Archlinux、DanctNixどちらでも使えるものがあったので、早速試すことにしました。
https://github.com/tqre/pinephone-arch

注意!
インストールで既存環境のbootパーティションは消去されるため、失敗すれば起動不能になります。
実行は自己責任で、当方関知いたしませんので悪しからず。

OSはDanctNixです。
JumpDriveでx86のPC と接続、arch-chrootから試すことにしました。
違うアーキテクチャへのchrootなので、まずその準備から。

qemu-aarch64-static取得。
Pinephoneの/usr/binに配置。
https://github.com/multiarch/qemu-user-static/release

以下インストール。
かなり時間がかかりました。
$ yay -S qemu-user-static binfmt-qemu-static
$ sudo pacman -S aarch64-linux-gnu-gcc

次にPinephoneのセーブ。
PCにJumpDrive接続した状態でdd。
圧縮かけてないので29GBですが、まぁ良し。
$ sudo dd if=/dev/sdX of=/自分の/セーブしたいとこ/DanctNix.img bs=1M

PinephoneをPCの/mntにマウントしてchroot
$ sudo mount /dev/sdX2 /mnt
$ sudo mount /dev/sdX1 /mnt/boot
$ sudo su
# arch-chroot /mnt qemu-aarch64-static /bin/bash

でインストールを試みたんですが、結果は起動時にハングアップ、失敗です。
PC接続時のデバイス名(/dev/sdX)と、Pinephone起動時のデバイス名(/dev/mmnblkX)が一致しなくなるのが原因ぽい。
このため、Pinephone本体で作業することにしました。

またJumpDrive接続して焼き戻し。
1時間以上かかりましたー
$ sudo dd if=/自分の/セーブしたとこ/DanctNix.img of=/dev/sdX bs=1M

構成はこんな感じ。
/dev/mmcblk2p1 vfat /boot
/dev/mmcblk2p2 ext4 /

 

準備

$ sudo pacman -S git base-devel f2fs-tools
Danctnix はext4を使用しているためf2fs-toolsは不要。

/bootを第1パーティションにマウントした状態だと、インストールのbootパーティション改変でエラーが出て失敗します。
このためbootパーティションをumount、更に念のため空にしました。
$ sudo umount -R /boot
$ fdisk -l
$ fdisk /dev/mmcblk2
  d→1→
  n→p→1→→
  a→
  w→
$ mkfs.vfat -F32 /dev/mmcblk2p1

chroot
Pinephone本体のOSから、microSDを/mntにマウントしてchroot
$ sudo mount /dev/mmcblk2p2 /mnt
$ sudo mount /dev/mmcblk2p1 /mnt/boot
$ sudo su
# arch-chroot /mnt /bin/bash

データ取得
# su 一般ユーザー
$ cd
$ git clone https://github.com/tqre/pinephone-arch.git
$ cd pinephone-arch

PKGBUILDファイルの変更
pkgverは https://xff.cz/kernels/ の最新版を使用。当然ここに無いバージョンはエラーを起こしてパッケージ作成が止まります。
最新版のsha256sumsは分からないのでSKIP。
bootdev、rootpart、bootpartは、本体での作業なら不要かもしれません。
JumpDrive作業時ここで詰まったので、変更を加えて実行しました。
$ nano PKGBUILD/
  10: pkgver=5.17
  25: sha256sums=('SKIP'
  36: _bootdev=/dev/mmcblk2
  37: _rootpart=/dev/mmcblk2p2
  38: _bootpart=/dev/mmcblk2p1

パッケージ作成とインストール。
$ makepkg
$ sudo pacman -U linux-megous-選択したバージョン-aarch64.pkg.tar.xz --overwrite /etc/fstab
256MBあった第1パーティションはインストール中削除され、64MBの未知のパーティションに置き換えられていますね。
/etc/fstabもインストール中書き換えられています。メッセージには「書き換えの必要があるかも」とありましたが、特に何もしなくても起動しました。


p-boot使ってみて

確かに早いかな?
DanctNixはboot時の情報が表示されませんが、表示されるようになって便利。
今後アップデートしても、カーネルバージョンが選べます。

/etc/pacman.confの書き換えは行いました。
linux-megousと齟齬が起きると面倒なので、linux-megiにアップデートがかからないようにしました。
  25行目「#IgnorePkg   =」
  IgnorePkg   =linux-megi

今回DanctNixにインストールしてみたことで、少し様子が分かりました。
Pinephone Proにはまだ対応してないようですが、自前でインストールしてるArchlinuxで試そうかなーと考えています。

 

追記(20220221):
microSDにインストールして、起動出来てなかったArchlinuxArm。
Pinephoneにカードを挿して、arch-chrootからp-bootをインストールしたらあっさり起動しました。これもデバイス名のズレから起動していなかった模様。

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参考:

https://xnux.eu/index.html
https://megous.com/git/p-boot
https://xff.cz/kernels
https://archlinuxarm.org/platforms/armv8/allwinner/pine64