マイノリティだって強くなろう

お友達の娘さんとお会いして、
LGBTとしての経験について、
お話しする機会がありました

ダイバーシティに関わることになったので、
当事者の話を聞きたいとのこと
考え考え話してきましたよ

 


30代の在職トランス

わたしは30代まで男性として生きていました
入社は24ですから、
在職中に変化していったことになります

最初は服装での表現から入ったので、
特に問題もありませんでした

どちらかと言うと、
内面化した自分の恐怖の方がやっかい
インナーに女性ものを着てたりすると、
周りの目が気になって仕方がない

見つかって何か言われたら?
怖くていっぱい言い訳を考えましたが

周りの人はそんなこと気にしてもいません
もし気付いたとしても、
それでとやかく言うことなんてない

もし言ってくるような人がいたら、
よっぽど自信のない人です
自信のある人は他人にあれこれ言いません
自分と他人の価値を、
分けて考えられるからです

だからここで問題だったのはわたしのこころ
自分を受け入れられなかった、
わたし自身だったのだと思います

 


40代で身体を変えました

40を過ぎて「もういいかなぁ」と思い、
身体に女性ホルモンを入れました

わたしは反対の性で生きたい訳じゃないから
性同一性障害の診断はおりません
少なくとも当時はそうでした
それで個人輸入で女性ホルモン剤を買って、
服用を始めました


話はズレますが
正直これはオススメできない方法です
特に反対の性別に移行したい人は、
過剰投与になりがちだからです
過剰投与で脳萎縮した事例も耳にしています

トランスはあくまで通過点
それ自体が目的ではありません
目的があるとすれば、
トランス後の生活で幸福感を感じていくこと

身体に悪影響が出てしまっては、
幸福感どころの騒ぎじゃありませんよね
薬の使用はすごく怖いもの
それは覚えておく必要があると思います

 


職場で困ったこと

社長が昔かたぎの人だったので、
分かってもらうまでが大変でした

社員面談で話を聞いてくれる機会があって、
事情はそこで話すことができたんですが
どういうことなのかは、
たぶん分からなかったのだと思います

髪の毛を切るように言われたし、
胸が大きくなってきた時は、
「そんなことは家でやれ」と言われました
ブラジャーをしてるとでも思ったのかな?
これは未だによく分かりませんが

しばらくして何も言わなくなって、
最後にはこう言ってくれるようになりました
「ちゃんと働いてくれるなら、
男だろうと女だろうと関係ない」
これは嬉しかったなぁ

わたしは真ん中自認なので、
女性としての扱いは求めませんでした
ワイシャツ+ネクタイ+スラックスも、
男装だと思ってやり過ごすことができたから
たいして問題もありません

ホルモンバランスが崩れたことで、
筋力が落ちていったり、
更年期みたいな症状もいくらか出ましたが
さほど困ったことはなかったかな
それがわたしの前職での感想です

 


まとめ:自分も強くなろう

自分の中の恐怖には、
ずいぶん長く苦しめられましたが
ここ3年くらいで克服できたと思います

マイノリティに関する問題解決は、
社会で関心を向けていくことも必要ですが
当事者の内面化した恐怖の克服や、
主体的に生きる意識を強くすることも、
課題じゃないかと考えます

誰かに貶められるほど、
あなたの人生は安くないということ
根拠のない偏見は信じるに値しないこと
理解できないことはあっても、
感じる痛みや悲しみは変わらないこと

そんなことが分かると、
多くの問題は問題でなくなります

乗り越えなきゃいけないことはまだあるけど
マイノリティもマジョリティも、
敵じゃないんだから
互いを思いやって、
人生楽しく生きられるといいよね

そう思うのです

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