『夜と霧』

読み返すたびに、
違った表情を見せてくれる本があります
ヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』は、
わたしにとってのそんな一冊
 
ナチスの死の収容所を、
終戦まで生き延びた人です
『夜と霧』はその時の体験と、
過酷な体験から見出した人生観について、
心理学者としての視点も交え書かれています
 
 
 
20前後でしょうか、
強制収容所の記録として知った『夜と霧』
初めて読んだ時は、
強制収容所での体験や恐ろしさが、
特に印象に残りました
 
この頃のわたしは、
人を信じていませんでした
投げやりになって、
自分はどうなってもいいと思っていた
収容所に疲れ、
全ての希望を失った人と同じで、
人生を諦めていた
だからこの本の絶望が目に入り、
希望は目に入らなかったのでしょう
 
10年くらい経って再び手にしたとき、
感じ方の違いに驚きました
体験そのものより、
フランクルの感じたことが分かってきて
 
世界の美しさ
愛する人の存在がくれるもの
どんな人間になるかは自ら決められること
待っている人や事柄を信じること
生きる意味を問うのではなく、
人生の投げかけるものにこたえ続けること
 
結婚を考えていた人と離れて、
何でもないのに涙が出たり、
折れないように精いっぱいだったこの頃
希望を失わないことの意味は、
わたしを支えてくれました
 
 
 
この時から折に触れ手に取り、
読み返すようになりました
 
生きることに期待されている
これは読むたびに、
深みを増して感じられます
トランスして生きることを決めた時、
また迷ったりしてたけど笑
 
生きることからの問いには、
考えではなく行動、
言葉を弄することではなく態度で示される
そうフランクルは言います
 
わたしは考えや言葉が多いから、
行動や態度をもっと大切にしないといけないかな
ここしばらく読んでなかったから、
読み返したら何を感じ取れるのか
ちょっと楽しみです
 
 
 

 

夜と霧 新版

夜と霧 新版

 
夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録

夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録