趣味の話:みちのく潮風トレイル③塩釜→女川

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この回はお休みをとって、
日曜日~水曜日で歩くことにしました。
だんだん遠くなるので、
交通費もバカにならないからです。

わたしのとったルートは、
南から北上するノースバウンド(NOBO)です。
文章中の『先』などの記述は、
全てNOBO視点であることを述べておきます。


まずは船便予約

塩釜の先と石巻の先は、
海路を使う必要があります。

塩釜→桂島→野々島→寒風沢島→宮戸
石巻→田代島→網地島→鮎川
鮎川港→金華山 →鮎川港
または 女川港→金華山→女川港

以上の区間は船での移動。
厄介なのは寒風沢島から宮戸と、
金華山への往復です。

寒風沢島と東松島の宮戸の間は、
便を予約しておく必要があります。
冬(11/1~3/31)はそもそも予約が不可能で、
春~秋に予約できても海が荒れると欠航。
予約も5日前に済ませておく必要あり。

鮎川港発金華山行きは、
4月アタマはシーズンオフで定期便無し。
チャーター便は確保可能ですが、
1人だとかなり高額になっちゃいます。
 5人以上なら1人¥3,000
 5人未満はチャーター料金¥15,000. . .

女川発金華山行きは毎週末便が出ています。

寒風沢島→宮戸は、
トレイルセンターにお願いして予約完了。
金華山への往復はかなり時間がかかるので、
後日にまわすことを決定。
3回目を2021年4/3~7に決行しました。

 


日曜日:塩釜→明神新橋
(126.79-167.8km,実際の移動は22km程)

土曜夜の高速バスで仙台に移動し、
仙石線石巻行きの始発で塩釜へ。
7:15桂島行きの船に乗船しました。
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熊とか猪はいないと思うので、
のんびり歩けます。
神社のすり減った階段。
たくさんの人の気持ちが伝わってきます。
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椿のトンネル。
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水仙がいっぱいできれい。
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石浜から野々島桟橋へ移動。
渡船開始は9:00から。
待合室に書かれた電話番号にかけると、
迎えに来てくれます。
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野々島は岩壁に穿った穴「ボラ」が印象的。
けっこうあちこちにあるんですが、
本来の目的は未だ不明とのこと。
物置に使われてたりしました。
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校下桟橋から寒風沢桟橋に移動。
ここも電話で呼ぶと来てくれました。
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寒風沢島は大きな島で、
稲作が行われていたりします。
津波で塩が入ってしまい、
土を入れ替えたりして大変だったそうです。
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島を一周。

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予約していた船の船長さんに電話をかけて、
迎えにきてもらいます。
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島の周りを案内してもらって、
宮戸まで送ってもらいます。
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この辺で雨が降り始めました。

震災復興伝承館(旧野蒜駅)を過ぎ、
『おさとうやま』の横を通ります。
佐藤善文さんが災害の可能性を考え、
私財を投じて作った避難場所だそうです。
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バンダ・アチェとの交流駐輪場を過ぎ
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自衛隊松島基地の横を歩きます。
ここは運がいいと、
飛行訓練が見られたりするみたいですが。
この日は雨で飛行機は出ていませんでした。

陸前赤井駅近くの定川橋を通って、
すき家で早めの晩ご飯を食べて、
上釜ふれあい広場へ。
ここでツェルトを張るつもりでしたが、
気が進まず先に進みます。

結局明神橋から北上運河沿いに入った先、
松の木の下にツェルトを設営しました。
たまたま付近が工事中で人は通りません。
落ち葉で地面は柔らかく、
枝が雨を遮ってくれて快適。
ただ運河が増水すると危険かもしれません。

 


月曜日:明神新橋→鮎川港
(167.8-242.21km,実際の移動は20km程)

この日の予定は石巻港から島を渡り、
鮎川港の先にある御番所公園で野営予定。
船は9時出航予定です。
復旧工事で思いのほか迂回が多く、
港までの時間が読めません。
暗いうちに歩き始めました。

北上運河沿いから旧北上川沿いに抜け、
そのまま川沿いに港に向かいます。
f:id:ichapy:20220402140157j:imagef:id:ichapy:20220402140209j:image北上運河や旧北上川周辺は、
天気に気をつければ野営できそうでした。

港に着いて出航確認すると大丈夫とのこと。
猫の島で有名な田代島に向かいましたが. . .
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大泊港は強風で停泊不可能。
仁斗田港に到着しました。
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田代島では大漁をまねくとして、
昔から猫が大切にされてきています。
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人は怖くないようで、
雨なのに自分から寄ってくる猫までいます。
いつまでも遊んでいたくなりますね。
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地島に向かおうとしてトラブル発生。
田代島→網地島と網地島→鮎川港が、
強い風で欠航になっちゃいました。
石巻港へは戻れたので、
18:45着のバスで鮎川港へ向かいました。

で鮎川港に着いたのはいいんですが、
雨降りとかなーり強い風。
とても公園まで歩く気にはならないので、
落ち着けそうな場所を探します。

周りの施設は閉店後ですが、
唯一閉まってないここに逃げ込みました。
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奥にはトイレもあり。
何より外気から遮断されるのが有り難い。
外は一晩中轟々と風の音が鳴り止まず。
前回に続き読みの甘さを思い知りました。

どうやらここ、
漁師さんたちが早朝使えるように、
開けてあるみたいです。
2時頃から自販機で飲み物買ったり、
トイレに入る人が来たりしました(^^;)

 


火曜日:鮎川港→蛤浜
(242.21km-274.34km)

有り難いことに夜明けと共に風は弱まり、
雨は止んでいました。
この日歩く牡鹿半島は、
典型的なリアス式海岸が見られます。
湾や港がたくさんあって、
そこを歩いてゆく訳です。

番所公園を回って鮎川漁港へ戻り、
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十八成浜→小渕→給分→小網倉と漁港を巡り
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金華山道を抜けて
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小積浜→侍浜とまた漁港を通り
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大越峠を抜け
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桃ノ浦
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桃浦小学校跡
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蛤浜

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ここまできてこの日の行程は終了。
この先は工事中で、
通行止めになってしまうからです。
蛤浜バス停から石巻の宿に向かいました。

 


水曜日:針浜→女川駅
(279.86-289.53km)

宿泊したのは石巻FUTABA INN。
マスターがみちのく潮風トレイルハイカーで
イカーに優しい宿として知られています。
前日夜がしんどかったので天国です。
朝ご飯もすごく美味しい!
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この日の行程は前日の通行止めの先から、
大六天山を抜けて女川駅まで。
電車で石巻駅から浦宿駅に向かい、
スタート地点に向かいます。
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余震の影響が見られますね。
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大六天山は道迷いの注意書きあり。
実際滑落遭難も出たことがあります。
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開けていてサインを見逃すと迷うかも、
そんな風に感じました。
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道が90度曲がるところがあり、
わたしはそこで少し迷いました。
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女川近辺は鹿が増えていて糞がいっぱい。
鹿が媒介するマダニもくっついてきました。

9時から13時、
4時間かかって大六天山クリア。
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かなり早い時間でしたが、
これより先に進むと帰れなくなるので、
女川駅でストップです。
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女川

女川の町を見ての第一印象は、
『新しくてきれいな町』です。
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勘のいい方はお気づきと思いますが、
全部流されたから『きれいで新しい』。
15m近い津波は、
コンクリート基礎の交番をも倒しました。
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ごはん食べて震災の爪痕を感じて、
帰途につきました。
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この回の学び

天候を甘くみない
下調べなしで進むときは慎重に

いつまでも結果オーライじゃ怖いよな。
そう思うのでした。
(つづく)

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