趣味の話:みちのく潮風トレイル④女川→志津川

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月に何度もお休みはとれません。
4回目は土曜日~火曜日の日程を組み、
2021年の4/24~26に決行しました。

わたしのルートはノースバウンドで、
距離はデータブック準拠です。


土曜日:女川駅→石投山登山口手前
(289.53-291km)

土曜昼便の高速バスで仙台に向かい、
JRで仙台→石巻→女川と移動。
女川駅到着は日が落ちる頃でした。

女川の先には1つ問題があります。
80km先の陸前戸倉駅まで
簡単にはエスケープできないことです。
少しでも距離をかせぐため、
女川駅から少し歩いて進みました。

女川の津波は川を遡り、
かなり上まで被害を及ぼしました。
現在居住地は高台に移されており、
町の跡は整地されたまま広がっています。

翌日の行程である石投山の手前、
山の木々が始まるあたりで休みましたが、
おそらくここも以前の集落跡でしょう。

小鹿が親を呼ぶ声が、
静かな中ずーっと響いていました。


日曜日:石投山→火伏せの碑(西)
(291-333.01km)

この日の出発は日の出前。
周囲は鹿の糞がいっぱいでした。
実施予定の駆除に巻き込まれないように、
明るい色のシェルを着て歩き始めます。

石投山は正規ルートが工事中で、
迂回路を進む必要がありました。
途中道が大きく曲がる地点が心配でしたが、
ロープが張られ問題なく進めました。
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石投山は3時間でクリア。

波板→雄勝→大浜→桑浜と進み、
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お昼過ぎに白銀神社へ。
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ここは小石1つでも持ち出すと、
災が及ぶ可能性があるほど力が強いとか。
お詣りして先に進みます。

ハートの湾が見える、
『恋する灯台大須灯台を観て、
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船越漁港を周り、
今日の目的地である名振漁港に到着。
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これで42km進んだことになるので、
翌日は少し楽になるはずです。
地元の人に教えてもらった港の端っこに、
ツェルトを張って休みました。


月曜日:火伏せの碑(西)→志津川
(333.01-373.02km)

余裕をもって進みたかったので、
この日も日の出前に出発しました。f:id:ichapy:20220404112902j:image
名振港を過ぎるとすぐに尾ノ崎峠の入口。
ここには広場があるので、
風を避けて野営ができそうでした。

峠を抜けると長面湾が見えてきます。f:id:ichapy:20220404112924j:image
長面湾の先はかなり広範囲の工事中で、
大きく道が変わっていました。
現場のおじちゃんに道を教えてもらって、
なんとか先へ進みます。

ネットに絡まって逃げられない鹿。
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遠くから見える異様なシルエットは、
大川小学校跡でした。
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大川小学校では避難の遅れから、
74名の生徒と10名の教師が亡くなりました。


新北上大橋を渡り北上川沿いを進みます。
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北上川を遡った津波は、
付近に大きなダメージを与えました。
川のビジターセンターは、
壊滅した集落の跡地に建てられています。
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トンネルを4つ抜けて、
お昼過ぎに神割崎到着。
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気持ちよさそうなキャンプ場がありました。

神割崎を回って志津川町へ入った頃、
カモシカに遭遇!
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この辺ではけっこうよくあることらしく、
この後も何回か遭遇することになります。


海のビジターセンターに寄って、
15時頃に陸前戸倉駅通過。
余裕もあるので志津川駅へ向かいます。

海沿いから旧気仙道を抜けて、
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志津川の街へ。
多くの人を救った高野会館を観て、
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17時前に志津川駅に到着。
周囲は新しい家と空き地が目立ちます。
三陸さんさん商店街でひと休みして、
帰途につきました。
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この回の学び

予想を超えて襲う津波の恐ろしさ
自然との距離の近さ

もうこの頃には、
1日40km歩いてもさほど脚は痛まず。
だんだん身体が慣れてきたのを感じます。

宮城県を北に向かうにつれ大きくなる、
津波の爪跡に衝撃を受けました。
(つづく)

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